お知らせ
2015年5月19日 15:29
今年も、中1校外活動に同行してきました。『中1校外活動』は、中1生にPA(Project
Adventure)で設定された共同作業を通して、クラスの連帯感を育成して親睦を深めること、
また集団の一員としての役割を自覚し、責任感を養うことなどを目的としています。
輝く太陽の下で、元気いっぱい走りまわった初日(この日は、夕食後も室内で別のプロ
グラムにチャレンジしました)、曇りベースだったけれど雨に降られることはなかった二日
目、グループに分かれて、楽しみながら、悩みながら、相談とリトライを繰り返し、目標を
クリアするべく、全員が気持を集中させて作業を行ないました。
初めは男女に分かれてスタートし、次に男子と女子のグループが一つになり、更には男
女が交互に入って形成されたグループで目標のクリアに向けて力を合わせる訳ですが、男
女が一つのグループになるときにはぎこちなさがあったものの、見る見るうちに協力態勢
が出来て一丸となって行く過程を見て、「これが男子校、女子校だったら、この子たちは
こういうチャンスをこの時期に得ることは出来なかったのだな」と、改めて思いました。
その中でも、男子が女子を気遣う姿勢を持ちながらも、リーダーシップは男女の違いな
く普通に存在することを全員が当然のこととして認識して行く過程を、面白くも頼もしく
見させてもらいました。
選挙権を持つ年齢を18歳に引き下げようという動きもあるようですが、その年齢に達す
る前に、男女がいて、同権なのはもちろんだけれど、互いの性差も認め、尊重し合い、カ
バーし合う姿勢を、日々の学校生活の中で自然と自分の身につけていける共学校は、悪く
ないなと思いました。
(中1校外活動 5月8日(金)~5月9日(土)実施,於:中伊豆ワイナリーヒルズ)
今年のスケッチコンクールは、台風一過の翌日、大変よい天気の下で行なわれました。
生徒たちは、思い思いの場所に陣取って、スケッチを始めました。限られた時間の中で
仕上げなければならない訳ですが、適当な時間に先生方が何度も巡回しては生徒の所在を
確認し、また美術の先生がアドバイスをしたり、その日に描き終わらなかった生徒のために
一人一人の絵についてデジカメで構図の景色を撮らせたりしていました。
昼食時になると、各自適当にお弁当を広げて食べていました。「お昼前に絵の具に入れ
るといいね」と、美術の先生がアドバイスしていましたが、絵の具に入れていない生徒もい
れば、食べることそっちのけで真剣な眼差しでスケッチブックに向かっている生徒もいま
した。
「絵は苦手なんです」という生徒もいましたが、「趣味や仕事にしない限り、一生のうち
に絵を描くチャンスはそんなに多くはないかもしれないから、楽しみなさい」と声をかける
と、笑顔を見せてくれました。
緑の濃い景色の中では、先入観さえ持たなければ、「緑」と思っている中にも、陰影も含
めて実に色々な色彩が潜んでいることに気がつきます。それを白いスケッチブックの上に
どう写し取って行けるかは、やはり柔軟なものの見方や才能も要ることでしょう。
二人の男子が並んで座って描いているところに話しかけました。彼らはそれぞれの絵を
見比べて「おんなじものを描いているのに、こんなに違うんですよ」と言いました。
「同じものを見ていると思っていても、人によって見え方も感じ方も違うんだね。それ
に気がつくなんて、すごいじゃないか!」というやりとりをしました。
一人の絵にはカメラでいうと広角レンズで捉えたような景色が、もう一人の絵にはやや
ズームアップして切り取ったような景色が描かれていました。人はみな自分と同じものを
見ていると思っていて、会話をしている最中に違和感を覚えることは、ほとんどないので
はないでしょうか。しかし、実際は見えているもの、聞こえているもの、感じているものは、
人それぞれに違うはずです。人が持っているセンサーは、それぞれに違うはずだからです。
絵については、類まれなセンサーを持っている生徒がいます。その生徒が描くことが
好きならば、彼、もしくは彼女は、自らに納得が行く絵になるまで、ブラッシュアップを続
けるでしょう。その絵を見て多くの仲間たちは感心するでしょう。中には、「絵ではかなわ
ないけれどピアノなら」とか「サッカーなら」と、自らにブラッシュアップする対象を持って
いることを強く確認する生徒もいるかもしれません。
「環境があって、機会があって、仲間がいるということが、人を育てることにどれだけ
大切なものなのか」を、改めて思ったスケッチコンクールでした。
生徒たちの笑顔は、学校の宝です。
(中1・2スケッチコンクール 5月14日(木)実施,於:都築中央公園)