山手学院中学校・高等学校

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お知らせ

校長先生からのメッセージ

2009年5月12日 13:22

 北米研修から高2生が帰国しました。その後、1名が新型インフルエンザに感染した疑いのあることが5月1日未明に判明。5月1日17時30分には、遺伝子検査により、新型インフルエンザではなく、Aソ連型と分かりました。生徒・保護者の方々を始め、多くの方々にご心配やらご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。

 生徒の皆さん・保護者の方々には、大変遅くなり申し訳ありませんでしたが、今回の件について、本校の取った措置と対応についての概略をお話させていただきます。5月1日早朝に横浜市福祉保健センターより、問診表を活用し、全校生徒の健康観察の実施依頼がありました。潜伏期間10日のお話があり、北米研修に参加した高2生の健康観察は、5月4日までに。高2生以外の山手学院生の健康観察は、5月8日までに実施し問診票を提出とのことでした。先生方全員と今後の措置と対応についてすぐに会議を開催。問診表は速達ですべてのご家庭に至急送付。特に、高2生については、すぐに、担当の先生方にお願いし、ご家庭への電話による聞き取りをしていただきました。生徒本人だけでなくそのご家族の方の健康状況を聞き取り、健康観察を実施しました。今後の措置については、山手学院一校の問題ではなく、新型インフルエンザであったなら、横浜市・神奈川県など広い地域で学校は休校、大勢の人たちが集まる集会や行事の自粛、開港150年祭の諸行事も中止。スポーツ大会等の自粛、接触の可能性があったすべての人たちや通学範囲の地域に住む人たちの健康調査や、不要不急の外出の禁止、など大変なことだという認識は、先生方全員がお持ちでした。潜伏期間10日のお話の中で、感染した人はすぐに発症する人もいれば10日目に発症するということもあるとのことでした。高2生は、5月7日から登校となっていましたが、帰国後、クラブ活動等で多くの高2生が学校にあるいは練習会場に出ていました。今回の生徒は、この時点では、陰性か陽性か判明していませんでしたが、この生徒の結果に関わらず、他の高2生から5月8日までの潜伏期間で同じような疑いのある生徒が出れば危機管理上、問題となるのは間違いのないことでした。この連休中に大事な公式試合があることは先生方も勿論十分分かっていたことでした。高3生にとっては、最後の大切な試合、日々の辛い厳しい練習の成果を問う大事な試合と。全員の先生方は、市・県・国レベルの問題として考え、山手学院の今後の存亡がかかっている問題と考え、万全を期すとの認識で、5月8日までの休校を決定しました。その会議には、公式戦が入っている先生方も勿論出席していました。朝練・放課後の練習・合宿・土日もご自身の生活をも犠牲にして、頑張ってきた顧問の先生方の想いを考えるととても辛い判断を全員の先生方が共通認識を持って決めた山手学院の措置でした。5月1日に陰性と判明し、当該生徒も回復に向かっているとの報告が入り、ほっとはしました。しかし、5月8日までは、第2・第3の疑いのある生徒が出る可能性も潜伏期間10日間の中では、全くない話ではなく、5月3日には、再度、全員の先生方に集まっていただき、5月8日までの休校措置の再確認をしました。クラブ活動の公式戦だけでなく、例年、高3生を中心に大変盛り上がると聞いていた新入生歓迎スポーツ大会、クラスの親睦を深めるための大事な学年行事であった長野県富士見高原での1泊2日の中1生校外活動も中止となり、多くの生徒に辛い苦しい思いをさせてしまい、また、山手学院生活での大切な思い出を奪ってしまうことになったことは取り返しのつかないことと思います。山手学院中学・高等学校の校長として、全員の先生方を代表して、生徒の皆さんに、また、ご迷惑ご心配をかけた保護者の方々に、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 4月25日の段階では、警戒レベルは「フェーズ3」で、通常の検疫。その後、「フェーズ4」に引き上げられ、4月28日からは、機内検疫が実施され、入国者に症状がない場合も10日間程度の健康観察を実施。成田空港検疫所は「仮に感染していても、発症前の潜伏期間だと発見は難しい」とのことでした。今回の件では、まさに、国内初の新型インフルエンザの感染疑いであったこと。また、4月25日の帰国時は国の方針である空港での水際作戦も実施されていなかったなどのタイミングの問題、陰性・陽性の判断も当初の横浜衛生検査場では判断できず、当該生徒の検体が国立感染症研究所に運ばれるなどして、判明まで時間がかかったことも騒ぎを大きくした原因の一つと考えます。その後、新型インフルエンザに感染の疑いがある人が、何人かでましたが、今回のような騒ぎにならず、すぐに陰性の結果が発表され、マスコミの扱いも非常に小さかったよう思います。声を大きくして訴えたい。当該生徒は勿論、すべての山手学院生、保護者の方々を含むご家族、先生方、山手学院という学校そのものが被害者だったことを。5月8日までの休校措置は、これ以外の選択肢は与えられていなかった究極の措置だったのです。また、そうせざるをえなかった先生方が大変辛い判断をしたことを分かっていただきたいと切に願う次第です。

 新型インフルエンザが世界各地で感染拡大している状況の中で、世界保健機関(WHO)の今後の動きも気になるところであります。7月18日に来日予定の北米からのリターンビジットと10月29日出発予定の中3生オーストラリアホームステイについては、国あるいは行政機関からの中止要請や指示がない限り、当初の計画通り、実施する方向で進めております。間近に控えたリターンビジットについては、現在、現地の情報収集に取り組んでいるところであります。今後、状況の変化等がありましたら、すぐに、生徒の皆さんと保護者の方へ情報提供を含めご連絡をしたいと考えております。

 5月11日から授業を再開しました。勉強にクラブ活動にと高2生を含めた全員が揃い、学校にもようやく活気が戻って参りました。HPや緊急連絡システムでお知らせしましたが、登下校時には十分周りに気を配り、冷静な対応をとるようお願いします。今回の件でも、被害者である当該の生徒を含め、山手学院生全体がまるで加害者のような心ない苦情もありました。登下校時だけでなく、対外的なクラブ活動等の場面でも、今後しばらくは、理不尽な物言いなどで不愉快な思いする場面があるかもしれません。十分に気をつけて行動してもらいたいと思います。

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